続・Raynolds953ステンレスフレームとは何ぞや?
最後にフレーム。
スチールパイプのフレームはパイプ何本で出来てんだっけ?確か12本とかそんなものだったと思うが、とにかくつながなきゃならない。で、最近のカーボンフレームを見りゃフレームに要求される特性は一目瞭然で、まずBB周りの剛性、次にヘッドチューブのところの剛性とダウンチューブの剛性。ここを稼ぎつつ953の持つ比重7.8g/cm^3*1と戦う必要がある。ALなら2.7g/cm^3だしCFRP(Carbon Fibre Reinforced Plasticつまり'カーボン')なら1.8g/cm^3以下なんだから、太刀打ち出来ない。じゃあ、何で?って事になるけどこれは鉄の持つ材料の剛性(押されたり引っ張られたりした時のたわみ難さ)が抜群に高いと言う事、勿論繊維一本一本ならカーボンも高いんだけど、いかんせん編み物や細切れ繊維をランダムに混ぜ合わせて樹脂で固めてるだけなので本来の値より下がってしまう。ALは軽いので塊にして物の剛性を上げても良いんだけど、そうすると物の持つ固有振動数が変な事になっちゃうのかな?「ALフレームは疲れる」とか「しなやかさが無い」とか陰口を叩かれる事になってしまった。で、鉄の肉厚を下げて軽くするしか無いんだけど、接合部は強度や熱に対してタフネスを上げなきゃならないのでバテッドと言って、接合部は厚くて真ん中の方は薄いと言う部分的に肉厚を変える処理をしてある。1回肉厚を変えてダブルバテッド、2回肉厚を変えてトリプルバテッド。(←何かこれ間違ってるっぽいな?)最近は新しい技術でもっともっと回数を変える方法もあるにはあるが、多分953はトリプルバテッドあたりで使われる事になるんだろう。あんまり薄くしても「ペコッ」ってなっちゃう訳で。この辺とフレームに入るガツンという対衝撃強度とガタガタ入る振動の耐疲労強度を成り立たせるために、材料そのものの強度を上げて行くのが重要になっていて、今のところ953は史上最強*2のフレームパイプ用鋼種と言う事だと思う。
一本欲しいところだけど、相当な待ちみたいですな。
てなところで、ご満足いただけたでしょうか?
参考図書…おもろいでっせ。
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